日本の女性誌などでは、このスーパーの「エコバッグ」はカワイイ、オシャレともてはやされ、ホノルル店なんかはさながら観光スポットのようになっているみたいですね。
さて今回は、50歳を目前にしたわたくしが見た(そんなに大袈裟じゃないんですけどね)、オーガニックフードの覇者「ホールフーズ・マーケット」の魅力と現状につきまして、しばしお時間を頂戴致します。
1980年にテキサス州はオースティンで創業されたこのスーパー。
「オーガニック」をキーワードに確固たる地位を築いてきたのですが、フツーのスーパーとはそもそもどんなところが違うのでしょうか?
まず、店内に入って目につきますのは、一般のスーパーとは異なり「カラフル」だということです。
天井から、ピンクやムラサキ色の傘が開いた状態で、逆さまに複数本吊り下げられていたりして。
レジの周囲には、自社のロゴ入りの「エコバッグ」、「ランチバッグ」、「グラス」、「マグ」、「ボトル」などなどが大量に陳列されております。
デザインは、見るからに女性ごころをくすぐりそうな「花」、「自然」などをモチーフにしたものばかり。
野菜などの陳列も、大型スーパーのようにただただ積み上げてあるようなものではなく、葉物野菜なんかは引き抜き易いように、「ワインセラー」のように積まれております。
当然ですが、店内は「オーガニック」という言葉のオンパレードです。
特徴的なのは、それぞれの商品に「等級」を付けて販売しているということ。
例えば、「野菜」なんかですと、「Unrated(無等級)」、「Good」、「Better」、「Best」という具合にグレード分けをしております。
最高レベルの「Best」は、農薬は使っていません、「遺伝子組み換え」ではありません、土の管理も厳重です、虫も近づけさせていません、とにかくありとあらゆる品質にこだわった畑で収穫されたものです、ということになります。
逆に「Unrated」であれば、一般的な管理です、ということになりますね。
サプリメントとか、化粧品、パン、ケーキの類いも充実していますし、「レイアウト」っていうんですかねぇ、見せ方も上手いんですよ。
とにかく「女性ウケ」を狙っている。
しかも、徹底的にやっているような気が致します。
店内の雰囲気はスーパーじゃないですもんね。
例えて言えば、読んで字の如しで「マーケット」。
「市場」のワクワクするような感じが随所に宿っております。
地下鉄King(キング)駅から徒歩10分、「トロントの台所」という異名を持ちます「セント・ローレンス・マーケット」。
「ホールフーズ・マーケット」の店内は、このマーケットと同様の雰囲気を醸し(かもし)出しているような。
男のわたくしが見ておりましても、何だか楽しくなる感じ。
この辺りがウマいんでしょうねぇ。
消費者の心を、パッと見からして鷲掴みにしている訳ですから。
で、残念ながら盛り上がるのはここまででして、表示価格を見ると若干気持ちが冷めて参ります。
「オーガニック」と表示のある商品は、全体的にお高め。
仕方がないよね、厳重に管理されているんだもんね、と自分には言い聞かせております。
夕方に出掛けてみても、お客様でごった返しているかと思えばそうでもなくて、空(す)いているでもなく、混んでいるでもなくといった状態。
日本の主婦層の間で大騒ぎをされているような賑わいではないな、という感覚で見つめていたところに出てしまいました。
「Forbes JAPAN(フォーブス・ジャパン)」の2015年8月8日付の記事なんですけど。
「オーガニックフードの覇者、ホールフーズ・マーケットの株価急落」
驚きましたねぇ。
調子がいいもんだとばっかり思っていましたから。
「ホールフーズ・マーケットの株価が、年初来高値(ねんしょらいたかね)から30%もダウンしている」
「『ターゲット』、『ウォルマート』などのスーパーマーケットも、同様のカテゴリーの商品を扱い始めたからか、既存店売上高成長率が鈍化してきている」
などと書かれておりました。
ロサンゼルスを拠点とする「Trader Joe's(トレーダー・ジョーズ)」というグロサリー・ストア・チェーンが、「オーガニック」の商品を「ホールフーズ・マーケット」よりも低価格で販売し始めた。
「ホールフーズ」が「品物の不正確な重量表示」などの問題で、消費者に不信感を抱かれた。
そんな要因もあってか、成長率が鈍化しているという話もあるようですし。
要するに、同じようなジャンルの商品を「ホールフーズ」よりも安く売る店が出て来たので、そこにお客さんを取られてきていると。
難しいですよね、野菜、肉、魚などを、他店との「差別化」をし、かつ高い価格で売るというのはね。
「オーガニック」のキャベツ同士を比較させ、その差を消費者に見分けてもらうのは困難ですもんねぇ。
キャベツはキャベツですから(別にキャベツをバカにしている訳ではありません)。
それと、「食べ物」は食べればなくなってしまうものである、というのも大きいと思うんですよ。
クルマとかバッグのようにある程度後に残るものであれば、それなりに高額でも我慢出来ますが、何も残らないとなると、より安く済ませたくなるのが人間の常ですから。
「ホールフーズ・マーケット」で絶対に買わなければならない「理由づけ」が、それほどなくなってきてしまったのかもしれません。
こだわっているのが「オーガニック」ということだけでしたら、安いお店、安いお店へとお客様は流れてしまうと。
スーパー業界って、どうしても似たような商品のラインナップになってしまいがちですので、本当に大変ですよね。
まったく同一の品物を売るケースも多いでしょうし、そんな中で「差別化」を実現するのは至難の業(わざ)。
となると、どうしても「価格競争」に陥って(おちいって)しまうんですよね。
「オーガニック」という言葉からは、「体にやさしい」とか「地球にやさしい」。
「エコ」なんて言葉も想像されますが、それらを販売するスーパーマーケット間の争いは、「地球にやさしい」などいうイメージとはかけ離れ、熾烈(しれつ)を極めております。
思えば「ホールフーズ・マーケット」には、「目の保養(?)」のためだけに行くことが多ございます。
時代の先端を見に行くとか、そんな感じです。
「オーガニック」ではない商品を扱うスーパーよりはお高めということなので、簡単に「高い」とか言ってはいけないのかもしれません。
だって、それだけ管理に手間が掛かっているのですから。
「どう見ても高い」ではなく、「田中家にとっては高い」とか表現を変えないといけませんね。
日本の女性誌なんかでは、さも絶好調のように報じられている「ホールフーズ・マーケット」。
遺伝子組み換えではない野菜を中心に販売するなど、消費者に「安心感」を与えている点は、本当に素晴らしいことだと思います。
どうか、出来るだけお安く安全な食材を今後ともご提供下さいませ。
今回の内容はやや社会派(?)でお届け致しました。
「ホールフーズ・マーケット」のグッズは、カラフルながらも度は超していないデザインなので、男性でも十分使えそうですよね。
このブログはネット上に残ってしまうということは、野菜、肉、魚などの食べればなくなる「消え物」とは違う訳で、ひと手間もふた手間も掛け(ホントですかね)それなりに「差別化」をしていきたいと思っております、好きですトロント!


