我が家族3人の隣りのテーブルには、お年寄りのグループがお座りになっておりました。
年の頃は70代。
全員白髪の白人さんだったのですが、3組のご夫婦がそれぞれ旦那さんと奥さんとで対面するカタチで食事をしていたのです。
食べていたのは、タイ料理のお店の「ラーメン(?)」と「Teriyaki(テリヤキ)」などと日本由来の名称をお付けになっている、なんちゃって日本料理のお店の「焼きそば(うどん?)」。
でも、何か様子がおかしいのです。
麺類を食べる時にする、「あの音」がまったく聞こえてこないのですよ。
日本人でしたら当たり前の、「ズルズル」、もしくは「ズーッ、ズーッ」という麺をすする音がまったく聞こえません。
見れば、皆さん、右手にはフォーク、左手にはスプーンを持って食べていらっしゃる。
要はあれですよ、「パスタ」を食べるが如く、スプーンのくぼみの部分に麺を載せ、フォークでクルクル巻いているのです。
汁っ気のない焼きそばでしたらまだ理解出来るんですけど、ラーメンはどうにも巻きづらそうです。
巻く時に、微妙に汁が飛び散ってますしね。
で、麺を丸めて固まりにして口に運んでおります。
美味しそうではないのです。
丸まった焼きそばは、ほとんど「人形焼」のようでもあり、「そば」とは名ばかりの形状になっている。
トロントには、それなりにお寿司屋さん、ラーメン屋さん、居酒屋さんの類いもございますので、アジア人以外でも「はし」を使えるガイジン勢は増えつつあるとは思うのです。
しかし、ヨーロッパとか中東からの移民の方々の中には、「はし」の文化はまだまだ浸透していないのかもしれないですね。
6人いたお年寄りなんですけど、1人なんかは、ナイフとフォークで焼きそばを食べてるんですよ。
ナイフの面積の狭い平らな部分に麺を載せ、真剣な表情でフォークを使って巻いている姿は、時計の修理を思わせるようで、目を細めて見てしまうようなまるで職人の世界でしたね。
全然リラックス出来ていないような。
我々日本人は子供の頃から、ごくごくフツーに「音を立てて」麺をすすっておりますが、これが実はそれなりに難しいみたいでありまして、食事中は「音を立てない」文化のガイジン勢には至難の業(わざ)なのだそうです。
「ズル、ズル」音を立て一気にすすらず、掃除が終わり掃除機のコードを仕舞う際、どうにも調子が悪くって、ゆっくりゆっくり本体に巻き込まれていくような感じ?
そんな感じで、音を立てずに「スルッ、スルッ」と徐々に麺を吸い上げるのは、さすがのガイジン勢もやってらんないんでしょうね。
時間がかかっちゃうので。
麺を食べる時、ほとんど「無音」で食べるには巻いちゃうのが一番早いだろう。
で、麺であれば、何でもかんでも巻いちゃう人たちが出現すると。
ラーメンと焼きそばをフォークでクルクル巻いてるお年寄りを横目で見ながら、食べ方によって、食べ物というものは、まったく別物に見えるというのを認識した次第です。
麺類を音を立てすすって食べる「文化」は、アジア独特のものなのかもしれません。
外でやるのはなんですから、自宅でラーメンなどを食べる際、「パスタ式」に巻いて食べてみようかしら。
もしかすると、昨日までの自分にサヨナラして、部屋にグリーンでも置いてみたくなる気分になっちゃうかも。
本日のエンディングは、FMラジオのようにちょっぴり気持ちの悪いトーンにしてみました。
それでは、また次回の「つぶやき」で。


