片道5時間というそれなりの乗車時間には、車窓を彩るさまざまな景色が素晴らしい。
まさに「世界の車窓から」の世界なんですけど、モントリオールは我が家にとりまして、トロントを除いた場合の「フェイバリット・シティー」。
引っ越してもいいかなと思っている数少ない街なのであります。
ケベック州に位置しておりますモントリオールは、トロントに次ぐカナダ第2の都市で、バリバリの「フランス語圏」。
第一言語が「フランス語」なもんですから、看板やら広告やらはすべて読めないのですよ。
何となく英語読みが出来そうな単語は理解出来るのですが、まったくどう発音して好いものか、皆目見当がつかないものも多数です。
それだけに、カナダ国内とはいえ、どこか英語圏ではないヨーロッパにでも来たような感覚。
「ここはどこ?、わたしは誰?」みたいな、場違い感(?)を味わえるのでございます。
まあまあ「フランス語圏」というだけに、フランス文化の影響を色濃く受けているのか、地下鉄、路上などでお見掛けする人々の服装が、何となく小ジャレている感じがする。
真夏なのでダラしなくなっても仕方ないのですが、トロントのそれよりもかなりちゃんとした格好の人々が多い印象でした。
女子のショートパンツ率も少な目ですしねぇ。
あと、「となりのトトロ」クラス(?)の男女をあんまり見掛けないんですよ。
これは、やはり「フランス料理」などの食事によるものなのでしょうか?
もしくは「喫煙率」が高いので、タバコによるダイエット効果なんてのも考えられますね。
モントリオールの街並みを見渡せば、そこここに施されている「落書き」の多さ。
広範囲をスプレーでペイントしてあり、それなりに上手なものもあるのですが、歴史的な建造物への落書きにはちょっぴり腹が立ちますね。
それも、あっぶない場所、どうやって書いたんだろう?と思うような高いところにあるんですよ。
落書きをする方は、出来るだけ困難な状況でペイントすることに快感、達成感を覚えるのでありましょうし、その心理は解らないでもないのですが、限度を超えたものはちょっとねぇ。
その建築を完成させた多くの人々に対して失礼なのでね。
つらつらとモントリオールの印象をお話しして参りましたが、ここで人々の「生息(?)」について考えてみましょうか。
「フランス語圏」であるということで、まず特徴的なのは、何と申しましてもアジア人が少ないということです。
トロントにおけるアジア人の多さと比較しますれば、「激減」という表現を使用してもよろしいくらいです。
「チャイナタウン」こそあるものの、地下鉄内などで中国人の方々を見掛けることは少なくなります。
アジア人と合わせて少ないのは、フィリピン人の方々。
「住み込みナニー(お手伝いさん)」としての永住権に応募する方の大半が、フィリピンからの移住者ということを考えますと、そのナニーの方々はモントリオールに簡単には入れない。
「フランス語」という壁がそれを阻止しているのでしょう。
逆に、増えて参りますのは、「フランス語」を第一言語とするアフリカ勢です。
黒人さんの比率は、トロントを大きく上回ると思われます。
フィリピン人の方々と同様、インドの方々も少ないですね。
やはり「英語」という武器だけでは、「就業」の場でそれほど戦えないということによるのだと思われます。
まずは「フランス語」を使えないと話にならない。
ですから、世界中からの移民が押し寄せることは少なく、「フランス語圏」でありますカナダのケベック州への移住は、甚だ「限定的」になっていると言えるかと思います。
モントリオールに観光に行って面白いのは、ショップなどで店員さんたちに英語で話し掛けた時。
こちらが「ハーイ」だの「エクスキューズ・ミー」と言った瞬間、明らかに相手は身構えますもんね。
「あ!、英語だ!、英語で返さなきゃ!」、ってね。
なので、割りとゆっくり目の英語をお話しになる方も多く、英文法に忠実な英語のケースが多い。
ということは、英語初心者でもよく聴き取れるという訳ですね。
スーパーマーケットなんかで道を尋ねた時も、ホント丁寧にゆっくりと英語で説明してくれますよ。
中には、英語がまったくダメという方々もいらっしゃいましたもん。
フードコートの「A&W」というハンバーガー店で食事を購入した際、こちらが支払ったコインを見せながら、英語で数えようとしたアフリカ人風のお姉さん。
もう途中から英語があやしくなっちゃって、首を振るだけの動きで何も言わなくなっちゃった。
スーパーで20代くらいの女性店員さんに道を尋ねた時も、しきりに英語が苦手で申し訳ないと謝るんですよ。
確かに何を言っているのかよく解らなかったんですけど、当然英語が本当に得意ではない人もいると思うんですよね。
変に高飛車に出てこられるよりはずっといいですけどね、旅行者としてはね。
滞在中、5、6箇所のスーパーを回りましたが、店員さんたちの態度、服装、話し方すべてが、トロントのそれよりもキチンとしていましたね。
雰囲気も明るいし。
何なんでしょうかねぇ、トロントのラフな感じはねぇ。
それを「フレンドリー」と言っちゃえばカッコがつくんですけど、「馴れ馴れしい」、「横柄(おうへい)」とも言い換えられる訳でね。
解り易く申し上げますと、モントリオールでは、スーパーのレジの人たちが「スタバ」の店員さんたちみたいな感じ。
当然、全員が全員ではないのですが、ハキハキ、テキパキ仕事をしてる感は漂っていましたね。
カナダでは数少ない「フランス語圏」でありますケベック州は、英語のみをお話しになるガイジンさんたちにとりましては、簡単には移住出来ない場所。
だ〜から、そういう意味ではハードルの低いバンクーバーやトロントなどに集結してしまうのですね。
アジア人、フィリピン人、インド人が少な目、ヨーロッパ勢、アフリカ勢が多めのモントリオール。
片や、アフリカ勢は少な目、アジア人を筆頭にそれ以外の世界中の人々であふれ返っているトロント。
「フランス語」を関門(?)にして見事な住み分けが成されております。
「北米のパリ」の異名を持つモントリオールですが、確かに「優雅な」感じはしますよね。
モントリオールは「フランス」、それに対して、トロントは「アメリカ」の影響を色濃く受けております。
あくまでイメージなのでお許し頂きたいのですが、フランスのプライドの高さを省いて、カナダ流の人の好さをプラスしたのがモントリオール。
アメリカの「差別」など競争の激しさを取り除いて、カナダ流の何となく抜けた感じを加えたのがトロント。
トロントもいいですけど、モントリオールも捨て難いですね。
同じカナダなのに、第一言語が異なるケベック州。
オリンピックが開催された割りには、日本ではあまり知られていないモントリオール。
ポテンシャルでは両都市ともに、知名度ナンバーワンのバンクーバーにまったく劣っていないと思われますので、日本でももっともっと認知されることを期待しております、好きですトロント!
*掲載写真は、モントリオールのショッピングモール「Eaton Centre(イートン・センター)」の男子トイレでございます。タイルなんかも外国にしては、何となく小ジャレてますよね。


