決して海外移住に浮かれることなく、「コスト意識」を持って日々を過ごしているのですが、最近あんまり近づかないダウンタウン。
娘の洋服を購入するのでも、郊外にあるショッピングモールの方がセールの割引率が高かったりして。
やはりお金回りの好い方々が集うのがダウンタウンだと思われ、おんなじブランドの商品でも結構お高く売られちゃったりしてるんですよね。
そんなこんなで、「お買い物は郊外のモールで!」が合言葉の田中家なのであります。
おそらくトロントには、今後かなり長い間暮らす可能性が高い。
娘は、トロント近辺の大学に行くとは思うのですが、理数系の学部に進んだりしますと、これがあーた結構な学費を取られるのでありますよ。
だもんで、毎日の暮らしは「自炊」中心。
ただでさえ、トロントの物価はカナダ1、2を争うほど高いのに合わせて、特に「外食費」は東京よりも遥かにお高いのを加味致しますれば、海外だからとて無闇に羽を伸ばすことなど出来ないのでございます。
トロント最高!、美味しいレストランもいっぱいあるし、住んでる人たちもフレンドリー!
こんなことを言っていられるのは、滞在1、2年目までか、お子さんが小さい内かもしれません。
例えば、世界的に見ますと、天下の東京大学様よりもずーっとランクが上位なのが「トロント大学」。
やはり理数系の学部の人気が高いようで、放っておいても生徒が集まるのをいいことに、これらの学部は毎年毎年学費を上げていらっしゃる。
とりあえず「エンジニア」になるのが食いっぱぐれがないってんで、もう中国勢も韓国勢も、猫も杓子(しゃくし)も、理数系に突撃であります。
で、そんな学部に万が一娘が入った場合に備え、将来を見据えた生活のコストダウンを敢行している田中家です。
ご説明が長くなりましたが、「お金を落としていって頂戴ね!」と手招きしているダウンタウンには、かように極力行かないのではありますが、先日久々にお伺いした際に、まあまあちょっとした出来事がございました。
「Eaton Centre(イートン・センター)」という、それなりに大きなショッピングモール内にございます、カナダのブランド「Roots(ルーツ)」というショップを覘いた(のぞいた)時のこと。
子供服を見ておりまして、ふいにクシャミをしたわたくし。
すると、背後にいらっしゃった見ず知らずの男性(30代くらい)のお客さんが「ブレス・ユー(Bless you」と言ったのです。
まったく見たこともない男性がです。
しかも、笑顔で。
すぐに「センキュー」とお礼を言ったのですが、店員さんだったらまだ理解出来ます。
「Roots(ルーツ)」の店員さんが愛想笑いしながら、「ブレス・ユー」なんてのは考えられるかと思うのですが、他のお客さんからフツーに言われたので少しビックリするとともに、日本だったらどうだろう?と考えてしまったのです。
例えば、東京のどこかのショップに買い物に行き、いきなりクシャミをしてみます。
周囲の見ず知らずの男性から、「お気をつけて」とか言われる可能性は限りなくゼロに近いでしょう。
というよりも、そのような習慣などハナからないんですけど。
トロントでは、バスに乗っていて席に座っている状態でクシャミをして、後ろのお姉さん(おそらく20代くらい)から、やはり「ブレス・ユー」と言われたこともあります。
お礼を言うために振り返ると、やはり会ったこともない女の子でした。
欧米では(他の国でもあるようですが)、クシャミをした人には「Bless you(ブレス・ユー)」を言うのが礼儀みたいになってますよねぇ。
その起源は、クシャミをすると体の中から好い運が出て行ってしまうので、それを気遣って「God bless you(神様からのご加護がありますように)」だったそうです。
それにしても、クシャミをして見ず知らずの人が「お気をつけて」なんて言ってくれるなんて、どんだけ親切なんだよという話でね。
あとは、コンドミニアムのエレベーター内なんですけど。
我が家は高層階なのですが、途中乗ってくる住民の皆さんが、全部とは申しませんが、かなりの確率で「笑顔」で挨拶をしてくるのです。
エレベーターに乗っているほんの数十秒の出会いなんですけど、天気とか気温の話なんかを振ってくる見知らぬ方々もいらっしゃる。
で、これもフレンドリーさから来てるのかなぁと思えばそうでもないみたいで、「私はあなたの敵ではないですよぉ〜」という意思表示みたいです。
エレベーターはいわゆる「密室」でございます。
女性なんかは特にアブない訳です。
そんな時、「笑顔」で話し掛け、敢えて沈黙を破って雰囲気を変える効果を狙っているのもあるようです。
男のわたくしだって怖いですもんねぇ。
夜のエレベーター内で、ガタイのいいロバート・デニーロとかケビン・ベーコンみたいな男と2人っきりだったらねぇ。
犬のドーベルマンと対峙(たいじ)しているのと大差がないような気が致します。
その空気を柔らかくする意味での「笑顔」&「挨拶」と。
これって、日本のマンションではどうなんでしょうかねぇ?
わたくしは、日本ではマンションで暮らした経験がないのでございますが、エレベーターに乗り合わせた知らない人にやたらと声を掛けたりしますかねぇ。
コンドのエレベーター内では、若い連中も、挨拶をすればそれなりに返してきますからねぇ、結構柄の悪い感じの子たちでもね。
それが自分の身を守ったり、治安の維持につながることを子供の頃から自然に覚えてきたんでしょうけど。
こんなのも、日本とは異なるかもしれません。
あとですねぇ、移住当初にやたらと目に付いていたことがあるんですけど。
長いのですが参ります、題して、「トロントのニュース・キャスターたちは、スタジオにゲストを迎えたトークの際、なぜに皆、必ずといっていいほど足を組むのだろうか?問題」、です。
これは謎でねぇ〜。
相手がハリウッドスターだろうと市長だろうと、「偉そうに」足を組んで、ソファーにふんぞり返ってしゃべってる。
「偉そうに」
大抵の日本人には、ゲストを迎えている番組のホストが、ゲストが足を組んでいないにもかかわらず、率先して足を組んでいたとしたら、一体どんな風に映るでしょうか?
この「偉そうに」もそうでしょうけど、「生意気だ」、「ゲストをバカにしている」とか。
生放送でしたら、番組に抗議の電話が殺到しちゃうかも。
で、その後ネットで検索したり、書籍(「クール・ジャパン !? 外国人が見たニッポン」鴻上尚史(こうかみしょうじ)講談社現代新書)で読んだりしたのですが、これがあーた「偉そう」でも何でもないんですよ。
逆に、彼らは、「あなたの話に興味がありますよ」、「あなたのことを信頼していますよ」ということを、足を組むという態度で相手にアピールしているそうなのです。
ガイジン勢に言わせれば、人と対面で話しをしていて、足を組まないのは失礼に当たる。
え?、そーなの?
だ〜から、番組の司会者たちは、ゲストを迎えるなり足を組み始めるという訳ね。
当然、ゲストの方も足を組んでるケースが多いですし、日本のテレビではあり得ない光景になってしまうのですな。
話している人の全部が全部足を組んでたり、ヒドい時なんかは、ホストが足を思いっきり投げ出しちゃってたりね。
自宅でしゃべってんじゃないんだからさ。
日本人なら、おそらくこう思っちゃうはずです。
わたくしも、何だ?この人たち、と度肝を抜かれたクチですから。
中には愛想が悪い方々もいらっしゃいますので、ガイジンだから全部やるという訳ではありませんが、見ず知らずの人がクシャミをしても「ブレス・ユー」。
コンドミニアムのエレベーター内での、見知らぬ人との笑顔での挨拶。
ニュース・キャスターたちがゲストを前に、敢えて足を組むということ。
日本では「あり得ない」、「非常識」なことが、海外では「当たり前」、「常識」だったりする訳ですね。
いわゆる「価値観」の違いは本当に興味深いですね、こんなのに出くわすのが海外生活の「醍醐味(だいごみ)」であり、「意義」なのかもしれません、でも、わたくしは、トロント市長を前に足を組むのは、やっぱり抵抗ありますねぇ、好きですトロント!


